『明日10時、いつもの場所で!』
私のメッセージに返された了解のスタンプを下に流しながらさっきまでの会話がおかしくなかったか確認する。
きっと少しおかしくてもあの子、髙木 杏莉(たかぎ あんり)はスルーするだろうし受け入れてくれるだろう。それでも心配なものは心配で。
なにか誤解を与えるようなものは無いか、意味の通らないものは無いかしつこいくらいに見直すとスマホを閉じた。
明日杏莉と会えると思うだけで楽しみで心が弾む。
杏莉には安心して本音を言えるし一緒にいると楽しいし落ち着く。
否定しないでそのままの私を受け入れてくれる唯一の友達。中学に入って新しい友達も多くできたけれど杏莉以上に思える子は1人もいなかった。
明日はどこを回ろうかな。どんなことを話そうかな、なんてわくわくとしながら私は眠りについた。