そんなことはあるはずもなく、目の前に手渡された診察券の名前は間違いなく、間宮ちづるだった。
「診察券はこれを使え」
ちづるの診察券を受け取る手が震えていた。
俺はちづるを抱きしめたい衝動に駆られた。
手術の日も、俺は病室に顔を出さなかった。
仕事も手につかず、ずっとスマホを握りしめていた。
そして、ちづるの手術が無事に終わったと連絡を受けた時は飛び上がるほど嬉しかった。
どうしても仕事で日本に来ることが出来なかった充に連絡を入れた。
「充、ちづるの手術は成功したぞ」
「そうか、よかった」
充は電話口で泣いていた。
「今の仕事が片付いたらちづるを迎えに行く、それまでちづるをよろしく頼む」
そう言って充はスマホを切った。
ちづるを迎えに行くと言う言葉が、俺の胸の奥に突き刺さった。
もう、ちづるは俺の妻ではない。
退院して、ちづるを引っ越し先に案内した。
「えっ、あのう、ここは海堂さんのマンションですよね」
「ちづるの新居は俺の部屋の隣だ」
「えっ?」
「診察券はこれを使え」
ちづるの診察券を受け取る手が震えていた。
俺はちづるを抱きしめたい衝動に駆られた。
手術の日も、俺は病室に顔を出さなかった。
仕事も手につかず、ずっとスマホを握りしめていた。
そして、ちづるの手術が無事に終わったと連絡を受けた時は飛び上がるほど嬉しかった。
どうしても仕事で日本に来ることが出来なかった充に連絡を入れた。
「充、ちづるの手術は成功したぞ」
「そうか、よかった」
充は電話口で泣いていた。
「今の仕事が片付いたらちづるを迎えに行く、それまでちづるをよろしく頼む」
そう言って充はスマホを切った。
ちづるを迎えに行くと言う言葉が、俺の胸の奥に突き刺さった。
もう、ちづるは俺の妻ではない。
退院して、ちづるを引っ越し先に案内した。
「えっ、あのう、ここは海堂さんのマンションですよね」
「ちづるの新居は俺の部屋の隣だ」
「えっ?」