「全く、お前はよく平気でいられるな」

「なんだよ、命に関わる病気じゃあるまいし、お前が大袈裟すぎるんだよ」

「ちづるを心配じゃないのか」

「俺達、離婚する事になった、な、ちづる」

「あ、はい」

「本当か」

充はびっくりした表情を見せた。

「でも、いくら離婚するからって、おまえの態度は冷たいぞ」

「そうか?」

「ちづる、改めてプロポーズしたい、俺と結婚してくれ」

「充、ちづるはまだ俺の妻だ、状況を弁えろ」

俺はちづるが動揺している様子を感じ取り、充に席を外して貰うように促した。

「充、ちづるに話があるから先に帰ってくれるか、また連絡する」

「わかった、ちづる、プロポーズのこと考えて置いてくれ」

ちづるは充の話は上の空で聞いていない様子だった。

充が病室を出た後、ちづるは俺をじっと見つめて口を開いた。

「海堂さん、私、後、どの位生きられますか」

「手術を受けて、俺の側にいれば婆さんになるまで生きられるぞ」

「海堂さんの側に?」