「あっ、ごめんなさい、ちょっと疲れたから眠りますね」

そう言って、ちづるは眠りについた。

このまま、目覚めなかったらと思うと、背筋が凍るような恐怖を覚えた。

ちづるの検査の結果は卵巣に腫瘍が出来たとのことだった。

悪性か良性かによって、卵巣を残すかどうかの判断を問われる。

既に子宮を失っているちづるにとって、残酷な告知だろう。

俺はちづるに真実を伝えて、手術をして終わると安易に考えていた。

しかし、ちづるにとっては重大な事だったんだろう。

信じられない言葉を聞く事になるとは予想も出来なかった。

「ちづる、卵巣に腫瘍が見つかったから、これから検査をして手術を決めるそうだ」

「そうですか」

「手術受けろ、そうしたらずっと一緒にいられる」

「そうですね、手術受けます、でもその前に私と離婚してください」

「はあ?ちづるの言ってる意味がわからねえ」

「術後、何も出来なくなるんです、辛くて、悲しくて、苦しくて、海堂さんに寄りかかってばかりになります」