「大丈夫だ、俺はちづるより若いんだからな」

「強がって、今居眠りしてたでしょ」

「うるせえ、大丈夫だ、俺の勝手だろ」

「慎は強いね」

「当たり前だ、入院の事と八年前の手術の事、充に話しといた」

ちづるは慌てた表情を見せた。

「どうした、まずかったか」

「なんで話したの?充は慎と違って弱いのよ」

「そんな事ないだろ」

「私と一緒で、すぐにどうしようって狼狽えるタイプなんだから」

「そうか、俺の前では強がっているのか」

「そうよ、私の結婚相手は慎のような強い人じゃないと駄目なの」

俺は自然と顔の筋肉が緩んだ。

「ごめんなさい、寄りかかってばかりで、慎にしてみれば、迷惑よね」

「俺を見損なうなよ、何人でもドンと来いだ」

「私以外にも、慎に寄りかかる女性がいるの?」

「いねえよ、ちづるだけだ」

「良かった」

久しぶりにちづるの笑顔を見た。

でも喋りかけようと、ちづるの顔を覗くと眠っていた。

「ちづる!」