「そんなわけないだろう、後継者はいなくても問題ない」

「資金援助はお前の判断に任せる、ちづるは渡さない、でも資金援助は頼むなんて虫のいい話は頼めないからな」

「資金援助は続ける、慎の為じゃない、ちづるを路頭に迷わす事は出来ないからな」

「すまん、助かる」

「ちづるの様子は事細かく連絡しろ、俺は一旦アメリカに戻る」

「わかった」

充と電話を切った。

俺は病院へ向かった。

ちづるはぐっすり眠っていた。

俺はちづるの手を握り、何があってもお前を優先すると心に誓った。

「ちづる、お前は俺の命だ」

ちづるに囁くと、ちづるは目を覚ました。

「海堂さん、私どうしたんですか」

「具合が悪くなって、診察を受けたら、疲れが出たらしく、しばらく入院する事になった」

「疲れ?私、どれだけ弱いんでしょう、疲れる事はしてないのに」

「そんな事ないだろう、もう少し、俺がちづるに気遣いを示さないといけないな」

「そんな事ないです、今度は海堂さんが倒れちゃいますよ」