「ちづる、俺はお前を愛している、自殺した彼女には申し訳ない事をしたと反省している、しかし、心のどこかで裏切られた事が尾を引いて、許せない気持ちがあったと思う、だから仕事を優先してしまった」

ちづるは黙って俺の話を聞いていた。

「はじめてちづると出会った時、なんとなく放っておけない気持ちが強くて、ただそれだけだった、でも徐々にちづるに惹かれはじめている自分に気づいた」

「海堂さんは自殺した彼女をずっと愛しているとばかり思っていました、私は足元にも及ばないと諦めていたんです」

「ちづるは俺の事はなんとも思っていないんだと思っていた」

「お互いに惹かれあっていたなんて、嘘みたいです」

ちづるはニッコリ微笑んだ。

俺は思い切ってファーストキスの相手の事も聞く事にした。

「ちづる?間違っていたらすまない、一緒に酒飲んだあの夜私のファーストキスの責任取ってよって俺に絡んで来たの覚えているか」


「ごめんなさい、覚えていません」