全てわかっているのに、わざと意地悪な言い方をしてしまった。

「違います、充からは寄りを戻そうと言われましたが、私はちゃんとお断りしました」

ちづるは必死に俺に訴えて来た。

「それなら、今日は俺の留守になんで充を部屋に入れたんだ」

「急に頭痛がすると言い出して、充はすぐ薬を飲まないと酷くなるんです」

「あいつのことが心配になったんだな、本当は奴に抱かれたかったんじゃないのか」

なんて酷い事を言ってしまったんだ、そんな事ちづるが思ってない事くらいわかっている。

「酷い、そんな事思っていません」

ちづるは泣き出した。

俺としたことが、ちづるを泣かせてどうするんだ。

「悪い、言いすぎた」

「いいえ、私が悪いんです」

ちづるはずっと泣いていた。

俺はちづるを抱きしめて、想いをぶつけた。