私は海堂さんに惹かれたのは、仙道さんと重ね合わせていたから?

本当に愛しているのは仙道さん?

でも仙道さんとは叶わぬ恋だった。

それに八年もの永い年月が流れたのだから、仙道さんは当時の人と結婚しているだろう。

私だって海堂さんと契約結婚したんだから既に人妻だ。

「ちづる、帰るぞ」

「海堂さん、ごめんなさい、私……」

「何も言うな、ちづるは俺の妻だ、これから先も変わらない」

「あのう、ちょっと聞いてもいいですか」

私は仙道さんと海堂さんの関係を知りたかった。

「なんだ」

「仙道さんとはどのような関係ですか」

「仙道?そうだな、悪友だな」

「そうですか、アメリカにいらっしゃるんですか」

「俺のマンションにいるよ」

「えっ?」

「今回の件で日本に来日して貰った、ちづるにも会いたがっていたからな」

「嘘!」

「嘘じゃない」

私は狼狽えて戸惑いを隠せなかった。

海堂さんは私の信じられない言動に心配の様子を現した。

「ちづる、大丈夫か」