「一人でここに住んでいるんですか」

「返事は?」

「はい?なんの返事ですか」

えっ、こんなに突っ込んでくるとは、変な事言っちゃったな。

「プロポーズの返事だ」

「お断りします」

「何故だ」

何故って、どうしよう。

「結婚を約束している恋人がいるんです」

「恋人?」

「はい、だから仙道さんのプロポーズはお受け出来ないんです」

仙道さんはしばらく考えていた。

やっとわかってくれたかな?

「その男と破談になったら、俺のプロポーズ受けてくれ」

「はあ?破談になんてなりません」

「わからないだろう?」

破談も何も彼なんてこの三十年いたことがない。

「彼女、悲しみますよ」

「彼女はいない」

やっぱり、誰だって着いていけないよ。

「それと、その恋人と、そのなんだ、キスとか仲良くしたりとかするな」

「仙道さんは私の親ですか?」

「そんなわけないだろう」

「それなら私が何をしても勝手ですよね」

「それはそうだが……」