にっこりしたちづるの笑顔が脳裏に焼きついた。

「なあ、食事行かないか、この間の詫びと言う事で」

「奢ってくれるんですか?」

「もちろん俺の奢りだ」

「じゃあ、折角のお誘いですから、ご馳走になります」

「おお」

俺とちづるは食事に出かけた。

たわいもない話をして、時間が経つのも忘れていた。

「大変、終電が終わっちゃった」

「まだ十時過ぎたばかりだぞ」

「最寄りの路線が十時までなんです」

「お前、どんだけ田舎に住んでいるんだ?」

「どうしよう」

「俺のマンションに泊まれよ」

「えっ?そんな事出来ません」

「どうしてだよ」

「恋人でもない男性のマンションに泊まるなんて無理です」

「じゃあ、どうするんだ」

「だから困ってるんじゃないですか」

ちづるの表情から焦りの色が伺えた。

「それなら、俺はダチのところに泊まるから、ちづるは俺のマンションに泊まれよ」

「でも、それじゃあ、仙道さんに迷惑がかかります」

「大丈夫だ、俺のマンションに行くぞ」