間宮ちづる、決して大人しいタイプではない、ただ、ちづると別れたのは俺がアメリカに行った事を自分は捨てられたと思い込み、俺の前から姿を消したのである。

「なんか、似てるな、ちづると」

まさかこの時、俺の愛したちづるだとはしばらく気づくことが出来なかった。

俺はどうしても慎の結婚相手が気になり、日本に向かっていた。

三神のやり方も許せなかった。

海堂は俺の言う通り行動していた。

あいつには珍しく、こまめに連絡を入れてくれていた。

「お前にしては珍しいな」

「ちづるを奪い返す為なら何でもするよ」

慎のこの言葉で俺は八年前の自分を思い返していた。

あれは俺が三十歳の時の事だ。

その頃俺は親父の脛をかじって生きていた。

どうしようもない人生を送っていた。

その時出会ったのが間宮ちづるだった。

俺は親父の築き上げた資産をバックに生きていた御曹司で、数多くの女が群がっていた。

俺の周りにいる連中の中には説教する奴はいなかった。

ある日俺はコンビニに足を運んだ。