ちづるはびっくりしたように固まっていた。

俺は声を荒げた。

「返事は?」

「は、はい」

「よし、いい子だ」

海堂さんは私の頭をぽんぽんした。

既に私は海堂さんに惹かれていた、もう大好きになっていた。

でも、海堂さんがこんな事言うなんて……

海堂さんの気持ちを聞きたかった。

自殺した彼女の代わりに私を心配してくれて、でも愛してくれているわけではないんだよね。

海堂さんの気持ちがわからない。

私はどうしたらいいの?

そんな時海堂さんのスマホが鳴った。

「夜分遅くに申し訳ありません、ネット上で社長に対しての誹謗中傷が拡散しております、それに伴いまして、取引先やメインバンクが撤退を申し出ております」

「わかった、調べてみる、切るぞ」

スマホは切れた。

「海堂さん?どうかしたのですか」

海堂さんはすぐにスマホを開いた。

険しい表情の海堂さんから、ただならぬ気配を感じた。

「この事を知っているのは三神の仕業か」

「三神さんがどうかしたのですか」