「あっ、ソース切らしていて、コンビニに買いに行こうとしたら三神さんに捕まって、だからヒレカツソース無しなんです」

「いいよ、あっそうだ、マヨネーズとケチャップあっただろう?」

「あります」

「オーロラソースで食べよう」

「そうですね」

海堂さんの笑顔は心が安らぐ、どうして彼女は自殺なんてしたんだろう。

俺はちづるを愛している、このことに気づくのにこんなにも時間がかかったのだろうか。

さっき、ちづるとキスした時、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

ちづるが止めなければ、俺はちづるを抱いていた。

ちづるの唇、頬、首筋、全てが愛おしい。

俺の誤算は彼女を自殺に追い込んでしまった事を、ちづるに知られた事だ。

ちづるはどう思っただろうか。

俺との関係を契約と思っているのだから、気にも止めていないかもしれない。

それより、三神の行動が気になる。

ちづるを連れ去るとは大胆な事をしてくれる。

息子を溺愛するあまり、何をやらかすか予想もつかない。