ちづるを一番に考える自分が不思議な位だ。

「俺は生涯かけてちづるを守る、あんたにもあんたの息子にもちづるは渡さない、ちづる帰るぞ」

「あっ、はい」

ちづるを連れてマンションへ向かった。

マンションに着くと海堂さんは黙ったままだった。

あの海堂さんの言葉。

「俺は生涯かけてちづるを守る、あんたにもあんたの息子にもちづるは渡さない」

あれはなんだったんだろう、海堂さんの本心?それともあの場のでまかせ?

何も言ってくれない海堂さん、全く気持ちがわからないよ。

自殺してしまった彼女のことを今でも愛しているの?

私を必要以上に心配してくれるのは、自分の過去の行動への罪滅ぼし?

同じ事を繰り返さないための自分への戒めなんだろう。

私を愛してくれてるわけではないと自分に言い聞かせた。

取り敢えず謝らなくちゃ。

「海堂さん、ごめんなさい、一人で出歩くなと言われていたのに……」

私は海堂さんに頭を下げた。

次の瞬間、私は海堂さんに腕を掴まれて引き寄せられた。