一瞬、嫌な光景が脳裏を掠めた。

私はアルバイトの帰り道、男性に腕を掴まれ、路地に連れ込まれた。

襲われそうになり、意識を失った、それから覚えていない。

この男性が助けてくれたの?

私を助けてくれて殴られたの?

「あのう、その怪我、私のせいですよね」

「いや、むしゃくしゃしてたから、一発殴りたかった、ちょうど相手のパンチをくらっちまったってとこだな」

「でも、ありがとうございました、助けて頂けなかった私は今頃……」

手が震えて涙が溢れてきた。

「送ってやるから早く支度しろ」

「はい」

私はベッドから立ち上がろうとしてバランスを崩した。

その男性の腕に支えられる格好になった。

「大丈夫か」

「すみません、大丈夫です」

とは言うものの全く足に力が入らなかった。

すると男性は私をひょいと抱き上げた。

「きゃっ」
男性と私の顔が急接近した。

「そんな可愛い顔してるから襲われるんだろ」

私は何も言えなかった。