「下着を買いたいので、頼む事は出来ません、あれ以来危険な事はないので、明日出かけて来ます」

「駄目だ、まだあの連中の正体もわからないのに、何かあったらどうするんだ」

俺はちづるを一人で外に出す事に納得出来ずにいた。

「海堂さんは心配しすぎです」

「それなら俺もついて行く」

ちづるは驚きの表情を見せた。

「嫌です、下着を買いに行くのに、ついて来て欲しくありません」

「俺達は夫婦だろ、なんの問題もない」

「大ありです、夫婦といっても契約上の関係ですから、お断りします」

「なんてやつだ、俺がこんなに心配してやってるのに、勝手にしろ」

俺は寝室へのドアをバタンと勢いよく閉めた。

「お食事召し上がらないんですか」

「いらん」

もう、海堂さんはすぐ怒るんだから。

でも、心配してくれたんだよね、だけどどうして?海堂さんの気持ちがよくわからないよ。

結局、私が折れて一緒に買い物に行くことになった。

あれ以来、一人で出歩く事は怖くないと言ったら嘘になる。