「おれ、みなみとは付き合わない。みなみのことは好きだけど、恋愛感情とかそういう意味の好きじゃない」
「……、そっか。ごめん、あたしってば勘違い」

一瞬驚いたような顔をしたみなみが、気まずそうにハハッと笑う。泣きそうな、恥ずかしそうな、複雑そうな表情のみなみの横顔を見つめながら、おれは思ったよりも冷静な自分に驚いていた。

みなみに対して恋愛感情がないなんて、嘘だ。

おれはみなみのことが好きだった。思ったことをズバズバ言ってしまう無神経なところも。人目も気にせず大きな口で笑うところも。ちょっとうざくなるくらいいつもテンションが高くてノリがいいところも。人懐っこくてすぐに誰とでも仲良くなれるところも。おれが知ってるみなみの全部。だけど……。

好きなやつの代わりにおれと付き合おうとするみなみにだけは心が揺れないから。

おれはずっと拗らせてきたこの恋を、ちゃんと終わらせようと思う。