今から約1年前、私は高校1年生だった。
瞬とはクラスが同じで席が隣だった。彼はクラスの中心にいるような人で、反対に私は隅で読書している芋女。真反対な私たちが話すことは無いだろうと思っていた。
「それ、面白いよね。」
放課後、夕日が差し込む教室に2人だけ。
日直の仕事を一緒にやっていると、瞬は話しかけてきた。
「これ読んだの?」
恋愛モノのシリーズだから意外だった。
「読んだよ。男で恋愛モノって変だろ?」
少し頬を赤らめながらそっぽ向いている瞬が可愛いかったのを今でも覚えている。
「ううん、変じゃないよ。瞬くんは本を読まないタイプに見えたから意外だっただけ。」
「ははっ、俺、どんなイメージなの?」
頬を掻きながら瞬は目尻を下げて笑った。
「キラキラした世界に生きている人。明るい。読書より人と話す方が楽しそうにみえる。」
「はずれ。本当の俺は、独りで本を読んでいるいじめられっ子。」
瞬は寂しそうな顔をして外の方を見ていた。
「もともと、俺はクラスの中心なんて器じゃないんだ。昔、からかわれてよく本を捨てられた。優しい誰かが拾って机の中に入れて置いてくれていたこともあったな。」
そう言うと、瞬はあるものを制服のポケットから取り出した。
『本は大切に。ぜひ読んでみてください。 拾ったものより』
「一緒にこんなものまで入っていたけどな。」
瞬はニコニコしていた。
「なあ、同じ字だよな?」
そう言って、日誌の横にその手紙を並べた。
「文字なんて似ている人もいるんじゃないかな?」
瞬は私が本を拾ってメモを入れたということに気づいている……。
「あの時、本を拾ってくれてありがとう。」
「本が捨てられてるの許せなかっただけなの。お礼を言われるようなことしてないわ。」
「その本、最後まで読んだ?」
私は気になっていたことを尋ねた。
「あぁ、捨てられるには勿体ないくらい面白かったよ。」
その笑顔を見た途端、顔が暑くなって心拍数が上がるのを感じた。瞬に恋した瞬間だった。
瞬とはクラスが同じで席が隣だった。彼はクラスの中心にいるような人で、反対に私は隅で読書している芋女。真反対な私たちが話すことは無いだろうと思っていた。
「それ、面白いよね。」
放課後、夕日が差し込む教室に2人だけ。
日直の仕事を一緒にやっていると、瞬は話しかけてきた。
「これ読んだの?」
恋愛モノのシリーズだから意外だった。
「読んだよ。男で恋愛モノって変だろ?」
少し頬を赤らめながらそっぽ向いている瞬が可愛いかったのを今でも覚えている。
「ううん、変じゃないよ。瞬くんは本を読まないタイプに見えたから意外だっただけ。」
「ははっ、俺、どんなイメージなの?」
頬を掻きながら瞬は目尻を下げて笑った。
「キラキラした世界に生きている人。明るい。読書より人と話す方が楽しそうにみえる。」
「はずれ。本当の俺は、独りで本を読んでいるいじめられっ子。」
瞬は寂しそうな顔をして外の方を見ていた。
「もともと、俺はクラスの中心なんて器じゃないんだ。昔、からかわれてよく本を捨てられた。優しい誰かが拾って机の中に入れて置いてくれていたこともあったな。」
そう言うと、瞬はあるものを制服のポケットから取り出した。
『本は大切に。ぜひ読んでみてください。 拾ったものより』
「一緒にこんなものまで入っていたけどな。」
瞬はニコニコしていた。
「なあ、同じ字だよな?」
そう言って、日誌の横にその手紙を並べた。
「文字なんて似ている人もいるんじゃないかな?」
瞬は私が本を拾ってメモを入れたということに気づいている……。
「あの時、本を拾ってくれてありがとう。」
「本が捨てられてるの許せなかっただけなの。お礼を言われるようなことしてないわ。」
「その本、最後まで読んだ?」
私は気になっていたことを尋ねた。
「あぁ、捨てられるには勿体ないくらい面白かったよ。」
その笑顔を見た途端、顔が暑くなって心拍数が上がるのを感じた。瞬に恋した瞬間だった。