「意味深わかんねぇ....本当なのかよ?」

「僕も信じられないよ。
だって凄く元気で、食欲もあるし運動も出来る。どこも痛くないんだよ?
それなのに助かる見込みが無いって言われるんだ。こんな病気聞いたことないよね。

病気のことはさっぱりわかんないけれど、唯一ハッキリしてることはさ、僕は黒木君の写真が好きでたまらないってことだ。

一目惚れって言ったら信じてくれる?
あんなに衝撃を受けたのは初めてだったんだよ」


「誉めすぎじゃない? なんかすげぇ恥ずかしいんだけど」

確かに賞は貰ったけれど、俺の写真なんてまだまだで、碓井さんには荒削りだって言われてるくらいで。


「同じ景色を見ても、同じ様に見えていないんだよね。
黒木君には、写真に収めた一瞬のように映る瞬間があるんだなぁって思うと、同じ人間の目とは思えないくらい感心しちゃうよ」

「やめろってば。なんかケツが痒いんだけど」


誉められ慣れていない俺は、なんだか身体がムズムズして、脚を擦り合わせた。

白井はそれを見て噴き出した。


「きっと僕ほどのファンはいないよ」

笑い続ける白井を睨んで、恥ずかしさを誤魔化した。