「あの、俺がいるから同じ高校に転校してきたって言った?」

「そうだよ。あんなにすごい写真を撮った人が同い年だって知った時、興奮しちゃってさ、すぐに親に頼んだんだ」

ファンとストーカーとは紙一重のようだ。
どう反応して良いかわからず視線をずらして「ああ、そうなの?」と曖昧な返事をした。



「写真の中が生きてた」

「え?」

「黒木君の写真からは、風と波の音が聞こえたよ」


不意にもらった感想に、ぐっと息がつまる。


「凄く好きだなって思ったんだ。
それで他の写真も見せてもらったんだけど、どれも息づいていて、一枚見るたびに感想が溢れでてさ。

たった一枚の絵で、見た人の色んな想いを引き出せるその力に感動したんだ。
感情を掻き回されて、僕、人生で初めて感嘆のため息っていうのでたんだよ。

それでさ、この景色を見れたら、僕の人生も何かが変わるかなって思ったんだ」


大人しい奴かと思っていたら、はっきり喋るし多弁な奴だった。

微笑む白井に、俺は照れて「んぐぐ」と唸った。

賞をとって、おめでとうと言うお祝いの言葉は沢山貰ったけれど、こんな風に感想をくれたのは碓井さん以来だ。

批評家ではない、ただのクラスメイトの感想にやたらと照れた。