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それから偉琉と俺は、一番の親友と言えるほど一緒にいるようになる。
とても気があった。
性格は正反対なのに、何故か偉琉の隣は居心地が良い。
二人でカメラを構えるのが楽しくて、ほぼ毎日、日課のように一緒に写真を撮った。
学校のある日は、学校帰りに近所で日常を撮り、休日は二人で様々な場所へ遠出をした。
偉琉は沢山写真を撮って、その中から気に入った一枚を選ぶとプリントをしその裏に数字を書いていた。
その数字は毎日減っていく。
死へのカウントダウンだと思うと、なんとも言えない気持ちになるし、なんて声をかけたらよいのかわからない。
俺は黙ってその数字が減っていくのを見ていた。
偉琉が撮影に夢中になってる隙に、俺は偉琉を撮ることにした。
あいつが存在したという証を残すため、と言うと死ぬのを受け入れているように聞こえるかもしれないが、
今生きている偉琉を、目に焼き付けておきたい気持ちがあった。
偉琉がいなくなる前日も、俺達は普通に遊んで普通に別れた。 二人共、病気の話なんかしなかったし、特別な事は一切無かった。
偉琉も普通だったから、俺もいつも通りを装っていた。
まだ、偉琉の死に対して半信半疑だった。
実感がわかない。
信じたくないって言うのが、一番しっくりくるかもしれない。