結局、東京に到着したのは、出発してから約半日経っていた。
到着してすぐ向かったのは、総合病院の病室ではない、奥の部屋…
俺はもう、全てを悟った………
そこで目にいたのは、白い布を顔にかけられている、義姉の姿…
「義姉…さん……」
彼女はもう…返事を返すことはなかった……
義姉が………死んだ……
不慮な交通事故だったらしい。
歩道を歩いていた義姉に、車が突っ込んだと言う…
その車の運転手は酔っぱらいだったらしく、轢いた挙げ句、逃げたのだとか…
もうその人は捕まって、塀のなからしいが、どうも許せなかった…
俺を絵を初めて褒めてくれた人……
俺の最愛の人の灯を……
一瞬で踏みにじったことが………
「許せない……義姉さん……」
俺は車椅子からフラッと立って、義姉に近づいた。
布の隙間から見える肌は青白く…冷たい。
母はボロボロと声をあげて泣いているのに……
俺は涙一つ出なかった。
ただ、胸の奥…心の中が空っぽになってしまった。