その後のことを少し話そうかな。
彼が亡くなってから、すぐにお葬式が行われた。
彼の死は、テレビでも報道される程の大事となって、日本の誰もが彼の名を知るきっかけとなった。
そして、好きにしてと言われていた絵達は、話し合いの結果、美術館で管理されることになった。
私達は、彼の死から立ち直ったものの、その場にいることを苦痛に思い、家を残して引っ越してしまった。
後にそこは、「松野誓記念館」となる、らしい…
たった一年の画家人生を歩んだ「松野誓」は、後世にもその生き様を語り継がれるものとなった…
彼が、最も後に描かれたとされている絵は、世界を飛び回っている…
その名も…
『満月の美しき月の生命』