秋、森や庭の木々が、色とりどりに色づき始めた頃、俺はもう歩けるほどの体力は残っていなかった。

でも、これが俺の人生って胸を張って言える気がした。

「誓くん?起きてる?」
「はい、芽李さんどうしましたか?」
「ふふ…そろそろ敬語取ったら?」
「友達がいないので距離感がよく分かんないんです。」
「そう?私は誓くんに、芽李って言って欲しいけどな~」
「そうですか、芽李」
「…!///ちょっと…タンマ…」

呼び捨てしろって言ったのは、芽李さんなのに顔を真っ赤にして照れていた。

タメ口で、呼び捨て、か…

「言ってって言ったのって芽李だろう?なに照れてるんだ?」
「だ、だって…結構ナチュラルに呼ぶから…もっとカタコトなのを期待してた…」
「は~…俺だって呼び捨てしたことあるし、タメ口だってできるよ。」
「え~つまんない…」

多分、カタコトなタメ口を喋る俺を、からかうつもりだったのだろう。

「残念だったな。」
「ん~…期待はずれで、本当に残念。」
「怒ってる?」
「拗ねてる…」
「っ…あはは!」

拗ねている彼女はとっても可愛い。

それに、拗ねている顔がもろに出ている。

良かった…感情が表に出るようになっていて…

その後、少し芽李さんと話してから寝る前に絵を描いた。

拗ねている彼女と窓の外の紅葉を…

無論、色を染めてベッドの下に隠した。

(見つかったら怒られるかも…)