でも、俺は絵を描くことの楽しさを改めて感じた。
楽しくて、楽しくて…
そして何より、俺の絵を見て笑ってくれる、芽李さんの笑顔が嬉しくて…
能力を使わずとも、また絵を描くようになった。
母さんにも説明して「自由にしていいよ。悔いのない人生を送って。」って言われた。
俺は、その言葉通りに生きようと思い、通信制の高校を中退し絵画に没頭した。
能力者として、絵をコンクールにも出してみた。
もちろん、初めは信じてもらえなくて、「イカサマだ!」だの、「手品だろう!」だの、罵詈雑言を浴びせられたが、真実を見せると皆して手の平返し。
何が、「うちの会社へ。」だ。
全て、断らせてもらった。
別に、俺は「お金」のために絵を描いてるんじゃない…
「皆を笑顔にする」ために絵を描いてるのだ。
正直、お金なんてどうでも良かった
まぁ、コンクールの賞金でかなり裕福になったのだが…