次の日、放課後に久しぶりに絵を描くことにした。
芽李さんが帰ってしまった後のことを全て話し、キャンバス等を準備してもらった。
「すみません…用意してもらっちゃって…」
「いいのよ。住ませてもらってるんだし、私も誓くんの絵見たいわ!」
「そうですか…?ありがとうございます。」
流石に、色を塗るほどの体力があるとは思えないので、鉛筆画になってしまう。
「モノクロだけどいい?」
「いいよ。逆にモノクロがいいな。」
「分かりました…じゃあ簡単に林檎を描いてみますね。」
林檎は、何回も描いたことがあったので、それなりにすらすらと描けた。
「上手!いいわ。リアルな林檎ね。」
「そうですかね。久しぶりに描いたのであまり納得していませんが、まずまずですかね。」
でも目的は「能力の確認」…
「どうやって使うんでしょう…」
「どうでしょう………あっ!調べてみたら、手に力を込めるとか、全身で集中するとかあるみたい。」
「やってみますか。」
まず、手に力を込めてみた。
「っ……はーはーっだめですね…」
「じゃあ次。」
次は、全身で集中して念じてみた。
「………。だめですか?」
「だめっぽそうね…」