この世界には、『能力』と言うものを持っている者がいる。
いわゆる、魔法だ。
でも、持っている者は、人口のたった一割…
無論、俺も持っていない。
持っている者は、貴族や富豪などの金持ちばかりで、本当に稀に一般人の方が『能力』に目覚める場合もある。
そして、『能力』を先天的に持っている者と、後天的に目覚めた者に分けることもできる、らしい…
俺について少し話そうか…
けして、裕福じゃない生活のなか、いつも支えてくれたのは、母さんの優しさと俺の絵を「好きだ」と言ってくれた義姉さんだった。
俺は小さい頃はみんなと一緒に動けた。
それでも、インドア派の俺は、中学は美術部だった。
俺の家族構成は、父、母、義姉、そして俺の四人。
父は、俺が生まれて少しで、帰らぬ人になってしまったらしい…
義姉は、もともと二人の間に子供が恵まれず、孤児院から養子縁組として、引き取った子、と聞いた。
それでも、俺の絵を褒めてくれる義姉は、大好きだった。
まあ、それもボロボロに崩れ落ちることになるのだが………
今は山に近いような田舎で母と二人で暮らしている。
義姉さんは、もう就職して、都会で一人暮らししている。
それでも、時々電話しているくらい、仲良い、と思う。