葬式が終わって一週間後、芽李さんが家に引っ越してきた。
元々、荷物が少なかったらしく、スムーズにここへ来ることができたそうだ。
「ようこそ、 松野家へ。どうぞ入って。」
「わざわざ、ありがとう誓くん。疲れるでしょう?」
「少しね。でも、大丈夫だよ。」
芽李さんが来てからと言うもの、物事が上手く進むことが多くなった。
一人暮らししていたからか、家事はほぼ完璧にこなしていて、学費関係は心配しなくてもよくて…
迷惑ばかりかけている俺とは、真反対である…
でも、芽李さんが家に引っ越してきてから、彼女の表情が豊かになった。
それを見ると、俺も幸せになる。
突然の別れからこんな出会いがあるなんて思っていなかった。