「すごい事故だったのに、お前、よく助かったよな」
そう言うのは、あの日一緒に愛猫をさがしてくれていた友人だ。
そう、あの日……。
僕は確かに、誰かに背中を押された。
黒い綺麗な髪の女の人だった気がするけれど、そんな人は近くにいなく、そばにあったのはすぐ真後ろに突っ込んだ車と離れた場所で倒れている愛猫だった。
もしかして……、なんて思うけれどそれは僕の胸だけにしまっておく。
もしもあの日に帰れたら、僕はきっと、きみを離さないだろう。絶対に。
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