いっせいのーでで店内でお互いが見つけたベストワンを見せ合ったとき、陽菜はわたしが選んだものとは全然タイプの違うデザインのピアスを手に載せていた。

 わたしが陽菜をイメージして選んだピアスは思いっきり可愛い系だったのに対して、陽菜自身が選んだピアスはフープ状のシンプルで大人っぽいデザインのもの。

「ごめん、陽菜の好みと違ったね」

 笑って元の場所に戻しに行こうとしたら、陽菜はわたしの手から金色の星のピアスをとった。

「そんなことない。柚乃が選んだ、これにする」

 きっぱりとした声でそう言った陽菜は、そのとき、わたしが選んだ星のピアスだけを購入して、自分が選んだシンプルなほうは買わなかった。

 中学時代のわたしは、陽菜のことをポニーテールに派手なシュシュを付けた髪型で見分けていたのだけど。高校生になった陽菜は、わたしが選んだ金色の星のピアスを毎日付けるようになった。

 今では、耳元で揺れる小さな金色の星が、わたしが陽菜を間違えないための目印だ。

 変わらない目印をいつも付けてくれていることはありがたいけど、せっかくピアスホールを開けたのに、一年以上も同じピアスを付けっぱなしで陽菜は飽きないのだろうか。

 金色の星のピアスを買った経緯を思い出しながら、それをぼんやり眺めていると、「うーん……」と何か考えていた陽菜が顔をあげる。