東城氏は満面の笑みで安堵の表情を見せた。

「では、秘書を連れてまた改めて伺います」

「ああ、あのう、桂木くんにお願いがあるんじゃが……」

「何でしょうか」

「今度、みゆちゃんを連れてきてくれないかな」

東城氏は恥ずかしそうに俯いた。

「はい、今度一緒に伺います」

「そうか、楽しみにしているよ」

俺は東城氏に挨拶をして、その場を後にした。

まず、東京へ戻り、会社へ向かった。

事の事情を高城に説明した。

「社長、それは本当ですか」

「ああ、早速契約の準備をしてアメリカへ行くぞ、お前も一緒に頼む」

「もちろんです」

俺は北山に連絡を取った。

この事を早くみゆに伝えたかった。

みゆのおかげで会社は倒産の危機を乗り越えたんだから……

その夜、健志のスマホに電話した。