「そうなのか、みゆちゃんは桂木くんの奥さんになるのか」

「はい」

「そうか、そうか、良かった、良かった」

「あのう、会社の件ですが何か良い方法はありますでしょうか」

東城氏は「そうだったな」と言いながら提案を俺に伝えた。

「わしの会社、東城ホールディングスと契約しないか」

「えっ?」

「東城ホールディングスのホテル部門のグループ会社として仕事を続ければいい」

俺はあまりの規模の大きさに手が震えた。

「桂木ホテルリゾートの名前も残し、桂木くんの役職もそのまま社長を続けてくれ」

「とてもありがたいお話ですが、何か条件があるのではないでしょうか、御社に取ってメリットはありますでしょうか」

「それは桂木くんの頑張り次第だ」

俺はすごい責任に押し潰されそうな気持ちに戸惑った。

「何、今まで通り仕事をしてくれれば良い、ただ一つだけ条件がある」

「何でしょうか?」

「みゆちゃんを生涯愛して共に生きて行くと誓ってくれ、あの子は男を信じられないと悩んでいたからな」

「はい、誓います」