錑は会長の入院先に向かった。

「おお、錑、久しぶりだな、社長業は順調みたいだな」

「何勝手なことしてるんだよ」

「何を怒っておるのだ」

「総務部立木の退職届を受理しただろう」

「ああ、麗子ちゃんがお前との結婚の妨げになるから、早く処理してほしいとお願いされてな」

「麗子ちゃん?」

「宇佐美不動産のお嬢さんじゃよ、お前ら結婚するんだろ」

「結婚?」

錑の表情が変わった、錑は感が鋭い、この時全てが繋がった。

「そう言うことか」

「なんだ、違うのか?麗子ちゃんは立木くんがお前に近づき、誘惑しようとしている、だからお金で解決したと言っておったぞ」

「くそっ」