次の日会社に出社すると、大騒ぎになっていた。

「みゆ先輩、大変です、社長が結婚するそうです」

慌てて私に駆け寄ってきたのは同じ総務部の友紀ちゃんだった。

「社長が結婚?」

「社長自らの書面が張り出してあって……」

総務部の二階堂くんもその場にいた。
二階堂くんも私を見つけると駆け寄って来た。

「みゆ先輩、ちょっといいですか?」

二階堂くんに腕を掴まれグイグイ引っ張られた。

「二階堂くん、何処へ行くの?」

小会議室に連れて行かれて、私と向かい合った。

「どう言う事ですか?宇佐美不動産のご令嬢とは関係ないと言っていましたよね?みゆ先輩の事俺のものだなんて言っていたけど、みゆ先輩都合のいい女なんじゃないんですか?」

私は固まっていた。