「一緒に住んでたのか?」

「いえ、時々泊まったりはありましたけど……」

錑は明かに不機嫌な表情をしていた。

自分から聞いてきたのに……

と、私は拗ねた表情を見せた。

次の瞬間、錑は私の腕を引き寄せ抱きしめた。

「みゆ、可愛い、マジやばいな」

「社長?」

「すぐここに越して来い」

「えっ?」

「ずっと一緒にいようぜ」

「でも……」

「決まりな」

錑は高城さんに連絡を入れた、龍司の連絡先を調べる事と、私の引っ越しの依頼をする様に指示をした。

「みゆは仕事が終わったらここに帰って来い、今日中に引っ越しが完了している、アパートの解約もしておくから安心しろ」

「でもそれじゃ申し訳ないです」

「みゆはあいつの連絡先がわかったら、電話でプロポーズの断りを入れればいい、わかったな」

「はい」