だから一年前龍司との別れは心を引き裂かれる思いだった。

でも錑に出会って一瞬で恋に落ちた。

信じられない、私の心が錑を見た瞬間固まった。

そしてドキドキと心臓の鼓動が打ち始めて加速し始めた。

初めての感覚に戸惑いを感じた。

錑は私を見つめて言った。

「俺は浮気はしない、みゆをずっと愛する、だから俺に惚れろ、いいな」

「あのう、龍司に何て言えばいいでしょうか」

「プロポーズは受けられないとはっきり言えばいい」

「そうですね」

どうしよう、龍司に「少し時間をちょうだい」って言っちゃって……

「また来るって言ってたんで、その時伝えればいいですね」

「今、伝えろ、あいつのスマホの番号わかるか?」

「わからないです」

「付き合ってた時どうやって連絡してたんだ?」

「龍司がアパートに来てたんです」

「みゆが連絡したい時はどうしてたんだ」

「龍司は毎日アパートに来てたので……」