私は励ますつもりで、食事をしたり、遊びに行ったりと二人の時間を過ごした。

「みゆ、みゆは好きな男性はいないのか?」

「いないです、好きになっても、すぐ振られちゃうんです」

「信じられないな、みゆを振るなんて」

「私、ずっと慎太郎さんの側に居てもいいですか?」

私は慎太郎さんの側に居ると、穏やかに過ごせると気づきはじめていた。

「みゆ、わしとみゆとは親子ほどの歳の差がある、この先一緒にいたら、みゆに迷惑をかけてしまうよ」

「そんな事ないです、私に慎太郎さんの身の回りの世話をさせてください」

「みゆ」

慎太郎さんも、私を慕ってくれていた、いや、慎太郎さんにすれば、私は恋愛対象だった。

しかし、親子ほどの歳の差が、慎太郎を臆病にしていた。

ある日、慎太郎さんは私の前から姿を消した。

私はしばらく男性を信じることが出来なかった。

しばらく一人の時間が流れた。
このままずっと一人で生きていく方が楽だと考えていた。

そんな時、龍司と巡り合った。

瞬く間に恋に落ちた。

龍司より好きになる人は現れないと思っていた。