「えっ?」

「俺を信じろと言ったはずだ」

「でも……」

「とにかく婚約はしていない、帰り一緒に帰るぞいいな」

「はい、でも……」

「何だ、まだ俺を信じられないのか?」

「違います、この間龍司がアパートに来たんです」

「あいつが?」

錑の表情が変わった。

「社長の婚約の話を聞いた後だったので、泣いていた所に龍司がきて……プロポーズは本気だからと言われて……それで……ごめんなさい、私」




「みゆ、自覚あるか?」

「自覚?、なんのですか?」

その時錑のスマホが鳴った。

「今行く」

錑は返事をしてスマホを切った。

「みゆ、あいつのプロポーズは断れ、話の続きは帰ってからゆっくりとな」