「わかった」

そう言って錑は総務部を後にした。





二階堂くんは錑が行ったのを確認すると、私に話しかけた。

「みゆ先輩の側に、いつも社長がいますが、偶然ですか?」

「えっ?」

「みゆ先輩わかりやすい」

「からかわないで」

「社長に口説かれてるんですか?」

「ち、違うわよ」

「先輩、顔がそうだって言ってますよ」

私は頬を膨らませて二階堂くんの顔を睨んだ。

「やべー、みゆ先輩かわいすぎ」

「もう、変なこと言わないで」

そこに錑が入ってきた。

「おい、俺が口説いてる女に手を出すな」

「社長?」