「俺の彼女にはみゆしかいないと、俺が決めた、役不足なんかじゃない」

「でも……」

「俺のこと嫌いか?」

「嫌いじゃないです」

「じゃあ好きか?」

私は自分の正直な気持ちを言っていいか迷った。

「みゆ、俺に惚れろ、俺だけ見てろ、わかったか?」

「は、はい」

「よし、いい子だ、ずっと一緒にいような」

「社長のこと信じて、ついて行っていいんですか?」

「当たり前だ、俺を信じろ」

錑は私を引き寄せてキスをした。




私は一旦自分のアパートに戻り、服を着替えて出社することにした。
出社すると会社では錑の婚約の話で大変な騒ぎになっていた。

「みゆ先輩、おはようございます、もう大変な騒ぎですよ」

「どうしたの?」

「社長が婚約を発表するそうです」