スマホが切れた。

本当に社長は来るのだろうか?
どうしよう、悪戯に時間だけが過ぎて行く。

その頃社長は秘書の高城さんに連絡を取っていた

「総務の立木の住所教えろ」

「何のために必要でしょうか」

「立木に会いに行く為だ」

「明日社の方でお会いになればよろしいのでは?」

「いいから調べて俺のスマホに送ってくれ」

「かしこまりました」

しばらくして社長のスマホに私の住所が送られてきた。
社長はその住所をナビに入れ、私のアパートへ急いだ。

なんでだよ、俺のみゆへ対する気持ちは伝わってないのか。

あんなに愛を確かめ合ったのに、あれはみんな幻だったのか。

他に好きな男でもいるのか。

でも、それならなんで俺に抱かれたんだ。

俺はナビに従い、みゆのアパートへ向かっていた。
ピンポーンとチャイムが鳴った。

「みゆ、桂木錑だ、開けてくれ」