「社長、困ります、私……」

「俺のこと嫌いか?」

「嫌いじゃないですけど、今日会ったばかりで、はっきり言ってよくわかりません、それに社長には彼女いるじゃないですか」

「彼女?だからいないって」

ゆかりさん彼女じゃないの?私の頭の中は理解不能になった。

「はっきりわからせてやる、俺に惚れさせる」

そう言うと社長は、激しいキスの嵐を私に浴びせた。

あ〜っ、もう駄目、蕩けそう
身体の力が抜けていく、これは夢?幻?
心臓のドキドキが加速を上げていく、このまま最後まで行っちゃいそう、駄目と思いながら身体は正直に反応していた。

社長は私を抱きしめたまま、すやすやと眠っていた。
眠っている顔もかっこいい、なんで?どうして?
絶対これは夢だよね。
信じられない、イケメンで若くてかっこいい社長が、アラフォーの冴えない私を抱くなんて、世の中がひっくり返っても起こらない出来事だと思う

そうだ、帰ろう、ここまでなら過ちで忘れられるこれ以上は駄目だよ。ゆかりさんに申し訳ない、
私は社長のマンションから逃げ出した。

どこをどう歩いたか全く覚えていない。
自分のアパートに着いたのは、もう朝方だった。
それから私は爆睡した。