そこにいたのは桂木ホテルリゾート株式会社の社員一同だった。

そしてこのパーティは錑と私の結婚披露パーティだった。

「錑、これって」

「社員一同俺達を祝福してくれてるよ、反対している社員は一人もいない」

「みゆ先輩、おめでとうございます」

駆け寄ってきたのは友紀ちゃんと二階堂くんだった。

「ありがとう」

「みゆ、こっちに来てくれ」

「はい」

少し高い壇上に上がり錑は全社員に挨拶をした。

「本日は、お忙しいところお集まり頂きまして、ありがとうございます。
私事ですが、この度私桂木錑は、こちらにいる立木みゆさんと結婚することとなりました。
社員の方々に祝福して頂き、これから一層の努力をしていく所存です。
よろしくお願いいたします」

私は錑が頭を下げたのを見て、私も慌てて頭を下げた。
社員全員が拍手をして、錑と私の結婚を祝福してくれた。
嬉しくて涙が溢れて止まらない。

錑は、私が認めてもらえないと気にしていた事に対して、言葉だけじゃなく行動で表してくれた。

「みゆ、部屋を用意して貰ったからちょっと休もうか」