その頃与那国島に龍司の姿があった。

「みゆいますか?」

「橘さん、残念ながら錑と東京へ帰りましたよ」

「東京へ帰った?」

「みゆちゃんは錑を選んだ、お互い諦めましょう」

「そうですか、わかりました」

龍司は私を諦めて東京へ戻った。

錑と私は毎日幸せを感じて暮らしていた。

お父様が亡くなって二年の月日が流れた。

「みゆ、今日は一日付き合ってくれるか」

「はい、大丈夫です」

「パーティに出席する、一緒に行くぞ」

私は錑と連れ立ってパーティに出席するための準備に取り掛かった。

「みゆ、すげえ綺麗だ」

「あのう、これじゃあ、場違いになりませんか?」

「大丈夫」

そしてパーティ会場へと向かった。