そして唇が重なった。
ドキドキする、信じられない、社長とキスしてるなんて……
どんどんと激しくなっていく、舌が絡み合って息が出来ない位に吸いつく社長の唇。

その時部屋のインターホンが鳴った。

「ちょっと待ってて」

社長が応対すると、コンシェルジュの横尾さんが料理を運んでくれた。

「お待たせしました、ごゆっくりとご堪能ください、失礼致します」

横尾さんが部屋を後にした。

「お腹空いたな、食べようか」

「あっ、はい」

「いただきます、めっちゃうまい、みゆも早く食べな」

「あっ、いただきます」

「明日仕事休みだから泊まっていけよ」

「えっ、帰ります」

「どうして?」

「どうしてって、恋人でもない男性の部屋に泊まることは出来ません」

「じゃ、今からみゆは俺の恋人な、それなら問題ないだろ?」

「いや、そう言うことじゃなくて……」

社長はコンシェルジュの横尾さんに連絡を取り、お泊まりセットを持って来るように指示をした。