灯台下暗しとはこの事を言うんだと改めて感じた。

立木みゆ、俺の目に狂いはなかった。

俺よりだいぶ年上なのに年齢差を全く感じさせない。

しかもめっちゃ可愛い。

控えめなのに、自分の意見をしっかり持っている女性だ。

俺は迷いも無くマンションへ誘った。

食事をしてデートを重ねてなんて悠長な気持ちは全くなかった。

みゆへの気持ちが今にも溢れ出しそうで、耐えられなかった。

今すぐにでも抱きしめてキスをしたかった。

いや、このまま結婚して一緒に暮らしたかった。

みゆとの生活は嘸かし楽しいだろうとあらぬ妄想が脳裏をかけめぐった。

俺は部屋に入るなり、みゆの腕を引き寄せ抱きしめた。

「男の部屋に着いて来るってことは覚悟出来てるってことだよな」

えっ?嘘、だって社長にはゆかりさんがいるじゃない。

私は社長から離れてなんとか誤魔化そうとした、そして話題を変えようとしたが、何も思いつかない、社長から離れるためにソファの周りをクルクル回っていた。
社長はソファに腰を下ろし、隣に座るように促した。

「みゆ、ここに座って」

どうする、どうする、私、覚悟を決めて言われるままにソファに腰を下ろした。
ジリジリと社長は私の方へ寄ってきた。