「どうして?」

「親父の知り合いでね、それと十年前みゆに命を助けて貰ったことがあるそうだ」

「みゆさん?」

麗子はビックリした表情を見せた。

「契約の条件はみゆと俺が結婚すること、そして生涯みゆを愛すると誓うことだ」

「そんな」

麗子はがっくりと肩を落とした。

俺はみゆを迎えに行くため与那国島へ向かった。

その頃、与那国島ではみゆが自分の気持ちを北山先生に伝えていた。

「みゆちゃん、心配したよ」

「北山先生、すみませんでした」

「錑から連絡があったよ」

「そうですか」

私は錑と別れることを北山先生に告げた。

「北山先生、私、錑とは別れます、錑は会社のため、そして錑の将来のために麗子さんと結婚することが一番いいと思うんです」

涙が溢れて止まらなかった。

北山先生は私を引き寄せて抱きしめた。