すると目の前に大きな手が差し伸べられた。

「遅いな、お前。ほらっ」
「あ、ありがと」

滉晴の手を握ると思い切り上にあげられた。

「うわっ」

た、高い……。確かここって前に滉晴がいた場所だよね。

「見てみろよ」

言われるがままに滉晴の指差す方を見ると、そこには光輝く街の風景が広がっていた。

「綺麗……」
「空も見てみろよ」

空を見上げると、たくさんの星が輝いている。綺麗すぎて言葉がでなかった。

滉晴はいつも、この風景を見ていたの?

「ここ、俺のお気に入りの場所。特別に教えてやるよ。今日学校に来たご褒美!……つーか、プレゼント?」
「何それ」
「あれ、うれしくなかった?」

急に光がぼやけてきた。夜景や星が見えない。

「ううう~っ」
「泣くなよっ。そんなに感動したか?」
「泣いてないし~っ」
「あはは」

どれだけ滉晴は私を泣かせれば気がすむのだろう。
私は滉晴に泣かされっぱなしだ。

そして私は、滉晴にお礼を言ってばかりだ。



滉晴、すごくステキなプレゼントをありがとう。