着いた先は昨日の夜に来た公園。人は誰一人としていない。それもそうか。ここの公園もそんな目立つ所でもない。
私は昨日座ってたベンチに横になり、空を見つめた。
「広い……」
見つめた先には雲一つない青空が広がっていた。
──……
─…
キーンコーンカーンコーン……
懐かしい音が聞こえる。
「これは……」
授業の終わりを告げるチャイムだ。
目の前には疲れきった2人の友達の姿。恭子(きょうこ)と麻美(あさみ)だ。
「はあ~やっと終わった~」
「まじあいつの授業眠いわ!」
「ねぇねぇ、今日の帰りカフェに寄って行こうよ!」
そう言って私の友達は楽しそうに話している。
周りを見渡せばじゃれあって遊んでる男子にグループになって話し合ってる女子。
教室はさわがしかった。仲のいい友達も目の前にいる。全然変わらない。
何一つ変わってないハズなのに、何かが足りない。何かが、とても大事な何かが、足りないんだ。
だから、私は学校に行かなくなった……?
「何してんの?」
目を開けばそこには滉晴の顔があった。
慌てて起き上がる。
「こんな所で一人で寝るなんていい度胸してるねー」
私、もしかして寝てた!?
辺りを見渡せばすでに真っ暗。とはいっても時計を見ればまだ7時だった。
「また泣いてたの?」
「え?」
そう言って目に触れて見ると涙が流れていた。
「そんなに辛かった?」
滉晴が隣に座る。
「……そういうワケじゃないけど」
「何で今日もここに来たの?」
「……」
言えるワケないじゃん。
そう思いながらふと滉晴の顔を見てみると、滉晴は昨日と一緒で今日も夜空を眺めていた。
優しい笑みを浮かべながら。
私はしばらくその顔から目が離せなかった。